G-Odyssy  -profile-


桃井和馬 (ももい かずま)

 写真家、ノンフィクション作家
 これまで世界140ヵ国を取材し、「紛争」「地球環境」などを基軸にして、独自の切り口で「文明論」を展開。講演・講座の他、テレビ・ラジオ出演多数。
 第32回太陽賞受賞。公益社団法人「日本写真家協会」会員。桜美林大学 特任教授。

 主要著書に「もう、死なせない!」(フレーベル館)、「すべての生命(いのち)にであえてよかった」(日本キリスト教団出版局)、「妻と最期の十日間」集英社、「希望の大地」(岩波書店)、他多 数。共著は「3・11メルトダウン」(凱風社)、「東日本大震災ー写真家17人の視点」(朝日新聞出版)、「生きる」(日本写真家協会編 新潮社)、デジタル書籍「大地巡礼」など。

 また市民発電事業「一般財団法人 多摩市循環型エネルギー協議会」では代表理事を務める他、「多摩グリーンライブセンター『がん哲学外来』カフェ」の運営にも関わる。

 


 

■プロジェクト「G-Odyssey」

 「プロジェクトG-Odyssey」は、ギリシャ神話に出てくる大地の女神「Gaia」と、球体を指す「Globe」という、地球を意味するふたつの「G」から命名した、地球環境を見すえるプロジェクトです。

 紛争とは、究極の「結果」です。結果には、必ず原因があり、その原因が、長いプロセス(時間)を経る中で、変容し、武装闘争へと発展します。言い換えれば「結果としての紛争だけを見続けても、本質は何も理解することができない」わけで、フォトジャーナリストとしていくつかの紛争を取材し、いくつもの途上国を訪れた経験から、このことを痛感するようになりました。

 では原因は何か?

 紛争における表層の理由が、たとえ「権力」や「民族・宗教」にあったとしても、多くの場合、根底では「土地所有を巡る人々の思惑」があり、地下資源の奪い合いがあります。また、生命維持に必要な「水や食糧の分配問題」も重要な基本原因でしょう。つまるところ、それら原因の多くは「限られた地球の資源と環境」に他ならないわけです。そして人類が欲望と憎悪のためだけに戦争を繰り返す余地も、環境を破壊しながら利潤だけを追求する余裕も、わたしたちが住む「地球」という閉鎖空間にはありません。

 大切なのは、人間や国家だけが中心に置かれた「世界」というの観念を越え、草や木や、海や山や、それだけでなく、人間を含めた生きとし生けるものすべてを宿す「地球」規模の視座を持つことではないでしょうか。

 今後もプロジェクトを通して、 さまざまな地球の現状を伝えていきます。

 


 

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